エッセイ

エッセイ

手賀沼エコマラソン沿道"応援演奏ボランティア"を通して

 約10kmの地点にいた私たちは、トップランナーが通過した10時30分から最終ランナーと救護車が通過した11時52分まで82分間、休むことなく演奏を続けました。

 出場選手は約9000人。中央学院大学駅伝部を始めとするトップランナーたちを先頭に軽快に足を運ぶ走友会メンバー、笑顔で手を振りながら楽しそうに走る市民ランナー、 そして歩きに近い速度ながら完走目指してひたすら歩を進めるお年寄りランナーまで、一人残らず音楽で応援を続けました!
 まだ合奏に入らない1年生部員たちは、バンドの両脇に並んで声による応援を続けました。こちらも82分間ひっきりなし! バンドが曲間で楽譜を取り替えている間も休みなく続く声援にはバンドの上級生たちもビックリ!

 こんなにも長い時間演奏や声援を続けられた理由はただ一つ。ランナーが懸命に走る姿のなかに部員たちが何か惹かれるものを感じ取ったからでしょう。 何しろ10kmを走り続けてきたランナーを目の前にするのは初めての経験ですから。 その姿を応援しないわけにはいかない何かが、手賀沼のほとりの走路には満ちあふれていたのです。

 台風一過、10km地点の芝生広場には、前夜の大雨で息を吹き返した虫たちが演奏中の私たちを訪れます。 譜面台に止まるトンボたちに虫嫌いの女子部員はおののきながらも吹き続け、飛来したハナアブに身をよじってサヨナラしながらの演奏でしたが、のどかで暖かい陽射しのもと、 元気に野外応援演奏ボランティアをさせていただきました。使用した曲は次のとおり。

マーチ「魔法使いのハーモニカ」「キングコットン」「海を越える握手」「マンハッタンビーチ」、栄冠は君に輝く、エルマンボ、76のトロンボーン 他